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ポール・ギャリコ、矢川澄子 訳/王国社/1990
¥900
↓にも文庫版で紹介した、『七つの人形の恋物語』王国社版です。物語はおなじみ、主人公の少女ムーシュと、人形使いの男との間に繰り広げられるメルヘン的なしかし倒錯したラブストーリー。翻訳には同じく矢川澄子、こちらの装丁には幻想的な作風にファンも多い、建石修志が筆をふるっています。イラストも多数差し挟まれ、作品のファンだけでなく、建石ファンにも嬉しい本書。現在は建石氏の別のカバーイラストによる版が刊行されています。巻末には精神医学者の山中康裕氏による解説付き。
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谷内六郎/旺文社文庫/1980
¥1000 再入荷
旅、絵、叙情、追憶.... 谷内六郎の世界を形づくる一部である、それらの要素がふんだんに盛り込まれた贅沢な文庫です。「町のコケシ屋に日が暮れて/鳴子の少女の眠る頃...」美しい詩と共に鳴子の町を紹介し、童謡にのせて横浜をめぐり、八丈島や富山にでかけ。汽車に乗り散歩をし子供の頃の思い出を掘り起こしながら、一文一文を、一枚一枚の絵を丁寧に豊かな情感と共に集めたこの旅の絵本。どこか淋しげな、でも読むほどに心のどこかが暖かくなる一冊です。
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岡部伊都子/創元社/1970
¥1300 ■sold
希有な文章人・随筆人であり、美の追究者である岡部伊都子の70年代の随筆集。表題作ほか4つの章に分けて66篇の文章が連なります。豆まき、雪夜、お手玉、切り紙、菓子だんす.....日常を丁寧に見つめ、自分の意志と周囲の世界を端正にまとめてゆく文章は、まるで美しいあやとりのように糸を織りなし何かを形づくり、読者を楽しませてくれます。芹沢けい介の装幀、そして扉のしっとりとした雅やかさも本当に美しい本書。確かな日本の美が存在する事を信じさせてくれる一冊です。
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B.マラマッド、鷲尾久 訳/角川文庫/1970
¥700 ■sold
ニューヨーク出身のユダヤ人作家・マラマッドの短編集。表題作ほか「最初の七年間」「天使レヴィン」「夏の読書」「最後のマヒカン族」などのきらめく佳作が13篇収録されています。亡命、商人、流浪などユダヤ人的モチーフの中で、恋愛や読書や旅を描き、人生の苦しさをそこから生まれる何とも言えないユーモアでくるみます。代表的な短編集である本書はマラマッド入門としても最適。優れた短編を味わう面白さと、独特の作風による不思議な余韻に包まれるでしょう。 |
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竹久夢二/野ばら社/1970
¥800 ■sold
「青い小径 人はひとたびこのみちをゆけば もはや再びかえらないだろう」...野ばら社が贈る竹久夢二の詩歌集。叙情詩「青い小径」、詩「夢のふるさと」、短歌「小夜曲」など小さな章に分けられ、たおやかな夢二の作品がこのコンパクトな本の中でゆっくりと味わえます。カラー口絵と共に、夢二自身の挿絵もふんだんにはさまれ、小さいながらも美しい本書。本体の表紙、見返しの紙もじっくり見つめたい一冊です。 |
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S.カミンスキー、和田誠 訳/文藝春秋/1979
¥600 ■sold
映画評論家でもあった作者が、1940年代のハリウッドを舞台に描く、虚々実々のミステリイシリーズの第一弾。謎を解く探偵こそ創造の人物ではありますが、周囲に登場するはほぼすべて実在の映画俳優、監督、脚本家たち。しかしストーリーはあくまでフィクション。エロール・フリン、ボガート、ドン・シーゲル、そして当時脚本家だったウィリアム・フォークナー...。あの名優があの名監督が、実際にこんな事件に遭遇したら、さぞ言いそうな振る舞いそうな事ばかり。実在の人物に架空の物語を演じさせる小説の形の面白さを存分に味わえます。そして翻訳、装幀、カット三役を一人でこなすのは和田誠。文人、映画人、イラストレーターとしての面目躍如といったところでしょうか。痛快なラストまで一気に読ませる楽しく華やかなハードボイルドです。 |
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浦松佐美太郎/四季社/1951
¥1200
タイトルもどこか意味深、帯にも「一般人必読の明快な教養書」と勇壮に銘打たれた本書は、「義理の追放」「国語教科書を批判する」「革命と戦後派」と硬派なタイトルがずらり。もちろん教養書らしく、書物に関するページ、日本探偵小説についての評論(批判?)なども。評論・随筆・翻訳でも活躍した浦松佐美太郎が、戦後6年経過して著した質実な社会論、日本人論。猪熊弦一郎の装幀がことさら魅力的です。 |
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平野威馬雄 訳/誠文図書/1982
¥1800 ■sold
「肉欲、愛欲から貞潔な美しい愛まで」と帯にあるように、16世紀に成立したフランスのデカメロンとも呼ばれるこの『エプタメロン』。デカメロンが十日であるのに対してこちらは七日間27話に渡って、様々な愛の形が繰り広げられます。翻訳には平野威馬雄。16世紀フランスの大らかな愛情が伝わる雰囲気で、和田誠のカットがそこに華を添えます。フランスと当時のヨーロッパの誇る性と愛の物語をじっくりと。「ナヴァール王妃の七日物語」との副題があるのは、この物語は当時のナヴァール王妃が著したとされているため、との事です。
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谷川俊太郎/出帆新社/1981
¥1000 ■sold
「今からはじまるぼくのおしゃべりの頁は、アルファベット順にひとつずつことばを択び、それをテーマにしてつづけることになっています」...「A」はanimai、「K」はkill、「S」はsex、では「Z」は? たった26文字しかないアルファベットを使って、それを頭文字に持つ言葉を選ぶ作業からこの詩人の精神とユーモアがにじみ出てきます。遊びの感覚も楽しい言葉のエッセイ。装幀とカットは和田誠。
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谷川俊太郎/出帆新社/1986
¥1000
この詩人ならではの紡ぎ方で、「愛」を様々な言葉と形式と角度から表現した詩とエッセイ。男女の愛、自己愛、人間愛。そのすべてを優しくからめつつ、行間から様々な事を受け取れる名著。初出の実業之日本社版の内容に加え、他書からの文章も加え80年代に編み直されたものですが、今回も装幀が串田孫一なのが嬉しいところです。
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野坂昭如/新潮社/1971
¥1000
元華族、屋敷は一万坪、気障に生きる事を信条とし、目下の趣味は楽器いじりとそして...カンという名の青年が、周囲や家族もともなって夜な夜な繰り広げる、破廉恥、乱痴気、放蕩の限り。ありとあらゆるエロとグロが、機関銃のように繰り出される言葉の連続と羅列とにあいまじり、めまいを覚えそうな本書。合間に実在の人名がふんだんに差し挟まれ、妙な既視感もこみあげる、野坂ワールド全開の夢見る物語です。装幀には宇野亜喜良。
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松本清張/講談社ロマンブックス/1961
¥600 ■sold
松本清張によるロマンブックスの一冊。市役所の小心な一職員を脅かすブラックジャーナリズムの恐怖を描いた表題作他、男と女、金と政治、虚栄と没落など清張文学の骨子ともいえるモチーフが読みやすい長さの短編8篇に編まれています。中には叙情的な「遠くからの声」なども入れられ、乾いた文体の中に湿った情熱を垣間見せてくれるようで。清張の入門書として、昭和30年代のロマンブックスは雰囲気的にもおすすめです。
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笠信太郎/暮しの手帖社/1966
¥700
ジャーナリスト・笠信太郎が雑誌『暮しの手帖』に晩年連載していたエッセイをまとめた一冊です。「よじのぼりたがるくせ」(何に?)「手をつなぎたがらぬくせ」(誰と?)「近道をしたがるくせ」(どこへ?)...というように、現代日本人の困った風潮を、"くせ"と称して評論。婦人誌の掲載らしく、優しい文章の中に、戦前戦後を駆け抜けたジャーナリストの鋭い視点が光ります。本書発行の翌年に著者は永眠しますが、その時から40年。日本もどう変わったのか変わらないのか、みてみるのも面白いのでは。ユニークな装幀はもちろん花森安治。
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坪田譲治 編/新潮文庫/1977
¥800 ■sold
鈴木三重吉主催による、児童誌「赤い鳥」200冊からよりすぐりの童話・童謡を抜粋。島崎藤村、小島政二郎、久保田万太郎、宇野浩二らの創作童話、北原白秋、西条八十らの童謡、それらが100編以上集められ、大正〜昭和の長きに渡る「子供のアルバム」が俯瞰できます。子供のために真に純粋なものを残したい、その情熱と夢につき動かされた美しい世界がこの一冊に詰まっています。
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北杜夫/中央公論社/1966
¥600 ■sold
北杜夫=どくとるマンボウの出世作となった本書では、昭和33年に船医として抜擢され、世界中を旅したどくとるの見聞記が、おなじみのユーモアとペーソスとそして大いなる妄想と共に綴られています。どくとるシリーズを読み始める方には、筆頭の書であり、北杜夫エッセイの原点でもあるでしょう。初版からたった6年で既に55版を数えていたというのも、いかにこの本が受け入れられたか分かるというものです。すがすがしく若々しい装幀の単行本でぜひ。
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北杜夫/文春文庫/1974
¥500
ジバゴではなく「ジバコ」の名を持つ怪盗が登場する、北杜夫によるファンタジー。もちろん子供向けとは言えず、さりとて大人向けと言ってもよいのか...明智小五郎やジェームズ・ボンドらを向こうに回しての大活躍は、空想か妄想か。どくとるマンボウの愛すべき偉大なる稚気によって生み出されたキュートな一冊です。それ一本がまるで短編のような、遠藤周作による解説つき。表紙には谷内六郎というのも嬉しい。
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ポール・ギャリコ/矢川澄子 訳/角川文庫/1988
¥1200 ■sold
大都会パリで生活に破れ、命を絶つ事を考えていた少女に声をかけた不思議な人形たち。その人形たちの個性と魅力、そしてそれを演出する人形芝居のあやつり師の男との出会いが少女の運命を変えます。代わる代わる登場する人形の魔力に彩られた、男と女のある愛のメルヘン。魅惑の結末が待っているこの物語は、「少女から大人へ」という使い古された言葉がよく似合います。翻訳に矢川澄子、表紙には金子國義、名作『白雁』(スノーグース)も併録されています。
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谷川俊太郎 編/河出書房/1968
¥1200 ■sold
「彼女の白い腕が/私の地平線のすべてでした」 ジャコブ、エリュアール、ブレヒト、ギンズバーグ....愛と人生をうたった80余りの詩を谷川俊太郎が精選。「愛と詩。人生でもっともとらえがたいふたつのもの」という編者の言葉のもと、様々な詩が「人のこころ」を描いてゆきます。一編一編は短くかつ豊富な種類の詩がおさまっているので、気軽に手にできるのもこういったアンソロジーの魅力。松本はるみの挿画も雰囲気にふさわしく美しいものです。巻末には編者による丁寧なあとがきと、詩人の紹介を掲載。
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種村季弘/河出文庫/1985
¥600
「アナクロニズム」とは、著者独自の幻視的目線で選ばれた、奇想・妄想にとりつかれた人々が繰り広げた無価値な夢であり幻。地球空洞説をとなえた科学者、ロボット発明の歴史の裏側、小児十字軍の実態、奇術師たちの奇行、そして日本の蘆原将軍...それら歴史の中に一瞬で消え去った徒花的な文化のガラクタたち18例を丹念に拾い集め作り上げた、これは見事な奇想の標本です。どこから読んでも不思議なめまいに襲われ、心ゆくまで奇妙な世界を堪能できる名著です。
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玉井勝美/潮出版社/1971
¥1300 ■sold
タイトルの通り、珈琲に情熱を捧げる男の珈琲づくしな一冊。昭和40年代、大阪は心斎橋に店を構える「ふなはし珈琲店」を舞台に繰り広げられる、人と人との物語。少しスパイスの利いた、出会い、別れ、ちょっとした事件....。冒頭、当時にしては高額な珈琲を自信満々に出す主人・船橋征四郎と税務署員との会話で始まる、大阪らしい掛け合いも楽しい。珈琲という魅力的な飲み物と、喫茶店という独特の空間のもたらす不思議な効果が存分に楽しめる異色の小説集です。
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富岡多恵子/角川文庫/1975
¥500 ■sold
詩人・小説家であり、文壇でその特異な地位を保ち続ける魅力ある書き手 富岡多恵子の青春記です。気負った風情や妙なメランコリックさはなく、あくまでカラリと明るくどこか突き抜けた雰囲気と、いくばくかの達観が。少女、恋、結婚、文学、芸術....。女性としての人生をしみじみと感じさせる優れた人生論でもあり、一作家の創作の歴史でもある本書。個人的には "ある絵描き" との生活、冒頭の「スポーツ少女と文学少女」の一編にしみじみ。
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筒井康隆/鶴書房/197*
¥1000 ■sold
数々の映像化作品を残すSFジュブナイルの金字塔、筒井康隆畢生の名作の単行本版です。初出は1964年の『中三コース』の連載。ラベンダーの香りと共に、ある日突然時間旅行の能力を持ってしまった少女が体験する奇妙な数日間...というおなじみのロマンティックなストーリーにおける、不思議を体験する少女の不安、未来から来た少年との最後のシーンのやりとりなどは、いまだに読む者の胸を切なくさせる力があります。また、この時代のジュブナイルでは常連の挿絵家・谷俊彦の、角川文庫とは異なる挿画も、昭和の味わいを深く感じさせる素敵なもの。昭和40年代の少女たちを夢中にさせた、ジュブナイルの名作である以上に少女小説の名作として不滅の本作を、初出の鶴書房版「SFベストセラーズシリーズ」の形で是非体験してみて下さい。
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木島始 編訳、堀内誠一イラスト/リブロポート/1988
¥1000 ■sold
可愛いうた、美しいうた、切ないうた、恐ろしいうた... 英米文学者・翻訳家の木島始が古今から選んだ詩のアンソロジー。フロスト、ブレイク、ケストナー、デ・ラ・メアらによる言葉の世界が、堀内誠一の挿絵を伴いながら豊かに広がってゆきます。心の底を照らすような、感情をえぐるような切れ味の詩もところどころ混ぜられ、ただきれいなだけの詩集とは違う深みを持つのは編者の意図が成功しているあかし。そしてまた、全23篇の詩はいずれも「優しい人びとの心に、易しく入り込める」と信じる編者の優しさが随所に表れてもいる、小さな詩集です。
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源氏鶏太/春陽文庫/1971
¥800 ■sold
源氏鶏太の作品の中でも、とびきりユーモラスで明るいサラリーマン小説です。登場するのは若手の会社員たち。時代は昭和30年代。タバコ一箱40円、入社数年目の若手の給料は一万円ちょっとの時代。お話はある男性社員と女性社員の恋模様を中心に、周りのみんなの恋愛事情もとことんまで描いたラブ&ピースなストーリーです。「明日は日曜日!」。これを合い言葉に、みんなが自分の幸せを追求する様は読んでいて気持ちいいくらい。装丁には鈴木信太郎を迎え、春陽文庫の魅力がぎゅうぎゅうに詰まった一冊。昭和のサラリーマン風俗もなかなか興味深い、愛と希望に満ちたこの素敵な小説を是非どうぞ。
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武井武雄/中公文庫/1975
¥1200 ■sold
童画家、版画家、そして造本家としても知られる武井武雄による書物世界の案内書。自らのライフワークでもある豆本づくりに始まり、本の様式や装幀、私家版に限定版、蔵書票や絵本に至るまで、様々な「本を形作るもの」を率直な筆で語ります。そこにあるのは、真の書物好きであり、物づくりを愛する者の真摯な姿勢。あの数々の美麗かつ優雅で童心にも満ち溢れた本たちの生まれた源泉がここにあります。コンパクトなこの文庫版のデザインも実に美しく、そばに置いて本の世界に想いを馳せる助けとなって欲しい一冊です。
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ハリイ・ケメルマン/ハヤカワ文庫/1976
¥400 ■sold
ラビ。とは、ユダヤ教における聖職者のこと。キリスト教の牧師のように、教えを説き、教義に基づいた様々な活動を教会と信徒のために行います。本書は、そんなラビが殺人事件に巻き込まれるという異色のミステリ。ブラウン神父ばりに冷静な推理で謎を解き明かす、この知的な主人公の魅力と共に、ごく普通のアメリカ市民としてのユダヤ教徒たちの生活や教会の風景が我々日本人には興味深い。もちろん、北園克衛の装幀もこの本の魅力を更に深めます。このラビシリーズは現在すべて絶版、本作は記念すべきシリーズ第一弾です。
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板倉鞆音 訳/思潮社/1981
¥1200 ■sold
ドイツを代表する児童文学作家、ジャーナリスト、そして詩人。「人生処方箋」などでも知られるそのケストナーの詩人としての仕事は、我が国では今はあまりクローズアップされる事はないように思いますが、そんななか本書は貴重な書。反戦と達観と多少のシニカルさを漂わせた、風刺精神あふれる一流の文学者の仕事は「エーミール」「飛ぶ教室」とは違う顔を見せてくれます。そして翻訳には板倉鞆音。品よく的確で、詩の持つアイロニーを美しい日本語で表す事に成功した名訳です。
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佐藤愛子/講談社/1970
¥600 ■sold
従業員4人の会社の社長・岡村は自他共に認めるダンディ。見栄っ張りで楽天的で女が好きで女に気に入られる事が好きで....調子がよすぎる余りに身を滅ぼしかねないその軽薄な日々を、軽妙な筆で綴る表題作ほか7つの短編を収録。いずれも著者一流のユーモアで、人生を様々に謳歌する市井の人々を描いています。そして表紙は風間完。この時代のこの種の本にしか醸し出せない洒脱さを漂わせています。
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伊藤整/光文社カッパブックス/1962
¥700
数多くの話題作をかかえたカッパブックスの中でも名著の呼び声高い一書。「欧州文学と日本文学の比較」「思想道徳と文学との関係」「社会状況と作家」など、いつの時代に読んでも価値ある論旨が展開される、伊藤整の評論中もっとも愛された文芸論集です。初出は昭和29年、本書はその2年後に出た改訂の版を重ねたもの。先頃、講談社文芸文庫で復刊されましたが、この新書の形で読むのももちろんオツなものです。装幀も都会的で洒脱。つくづく美しい「カッパブックス」だと思います。
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