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 1956年にスタートした創元推理文庫は日本のミステリ好きの好奇心を満たし、SF部門創設後は、内外のSF黎明期を支えた早川のポケミスシリーズと並んで超一級の娯楽を提供するシリーズでした。もちろんその意志と構成は連綿と続き、今も日本を代表するミステリ・SFの宝庫です。

 そして、この文庫の創刊当時は、内容もさることながらその表紙デザインが大きな魅力でした。アメリカミステリの持つモダンさを再現するべく作られた早川ポケミスが、しかし本国のペーパーバックを遙かに凌駕する洗練されたデザインで表紙を飾ったように、当時の創元推理文庫も今では考えられないほど贅沢な布陣で、その表紙の上でモダニズムを競いました。それは、真鍋博、和田誠、司修、粟津潔、田中一光....そのほか専属のように表紙を飾り続けた、金子三蔵、日下弘、松田正久など、今見ても今見るからこそ魅力的なデザインを手がけたデザイナーたちによるものです。ミステリとSF。その響きの持つモダンの香りには、品よく洗練されたデザインのカバーがよく似合いました。

 現在は大幅にリニューアルがなされ、残念ながら表紙も昔のものはほとんど残されていません。そしてここでは、内容の面白さは保証しますが、なんら珍しかったり希少であったりする本をご紹介することはできません。

 しかし創刊当時から70年代後半まで、創元推理文庫の表紙が一番輝いていた時代を中心に展開してゆきますので、中身と共に、優れたデザイナーたちによる当時のカバー群のスタイリッシュさをどうぞお楽しみ下さい。画像クリックで詳細が見られます。
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創元推理文庫売切一覧 

 
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 パーカー・パインの事件簿
 A.クリスティ/カバー:S.D.G.太田英男/1976
 \600  ■sold

本格もの

ポワロ、ミス・マープルに続くクリスティ第三の探偵、身の上相談所の所長ミスターパイン氏のまわりには依頼人が持ち込む様々な事件がいっぱい...。肩の力を抜いて楽しめるよりすぐりの短編集です。クリスティを未読の方にも、彼女の他の探偵譚が好きな方にもぜひ。カバーも昔から人気の高い創元推理ならではの傑作です。


 
 脱獄九時間目
 ベン・ベンスン、小西宏 訳/カバー:杉浦康平/1969
 \600  

ハードボイルド

ボストン出身、マサチューセッツ州限定の警察小説で知られるベンスンの代表作。脱獄をはかった囚人たちと警察の対峙、限られた九時間という時、人質の救出...監獄を舞台にしたサスペンスがふくらむこの秀作。ロスやNYのような大都会とは異なる東海岸の町が舞台というのも、地元出身の作家ならではの臨場感です。時限をあらわした杉浦康平のカバーも秀逸。巻末には小西宏による詳細な解説つき。


 
 月世界へ行く
 ジュール・ヴェルヌ、江口清 訳/カバー:金子三蔵/1969
 \500  ■sold

SF

19世紀なかば、2人のアメリカ人と1人のフランス人が乗った宇宙ロケットがボルチモアから発射され、人類の歴史にとって画期的な月世界への旅に出ました...。ヴェルヌによる、もはや説明は不要な、19世紀の科学知識の粋と夢と想像力の結晶とも言える、SF小説としても少年冒険ものとしても金字塔的な一冊。60年代の版という古さですが、非常にきれいな状態で、金子三蔵の表紙がとてもシックです。


 
 雪の中の三人男
 エーリヒ・ケストナー、小松太郎 訳/カバー:真鍋博/1983
 \500  ■sold

冒険

下の『一杯の珈琲から』に続いて、ケストナーのユーモアミステリ三部作の一冊をご紹介。舞台は雪山のホテル。富豪が貧者に、貧者が富豪に、それらの家族やとんちんかんなホテル従業員らが入り乱れて、シェイクスピアさながらの "かん違い" 劇が愉快に進行してゆきます。世相への風刺を込めながらも、「枢密顧問官」なんて戦前のドイツならではの職業名や、のんびりした会話のいちいちが楽しい。ぽかんと口を開けた三人の男がたたずむ真鍋博のカバー絵も雰囲気たっぷりです。


 
sogen23
 一杯の珈琲から
 エーリヒ・ケストナー、小松太郎 訳/カバー:真鍋博/1976
 \500  ■sold

冒険

創元推理文庫の中でも人気の一冊、ケストナーのユーモア作家としての側面が存分に味わえる不思議な冒険小説です。戦前の一時期、ドイツとオーストリア間に実際にあった為替管理法のため生じた行き違いやあれこれの事件を、主人公の青年が生き生きと演じ、相手役の美女とのロマンスも魅力たっぷり。しかし当時はケストナーの著作はドイツでは発表できず、翌年には第二次大戦が勃発。ユーモアの中にも時代への皮肉な目が隠されている事は見逃せません。ちなみに何とも可愛いこのタイトルは、日本だけのもので、翻訳の小松太郎氏のセンスも一緒に味わって下さい。今の版とは異なる真鍋博の装幀も実に素敵です。


 
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 血の収穫
 ダシール・ハメット/カバー:和田誠/1983
 \500  

ハードボイルド

ご存知ハードボイルドの祖にして大家・ハメットの処女長編。ある鉱山町に仕事ででかけた主人公コンティネンタル・オプは、そこで血なまぐさい事件に次々巻き込まれ...ストーリーの面白さもさることながら、暗い背景をバックに男の背中が浮かび上がるという、和田誠の骨太な表紙が魅力でもあります。初版は59年。今のような削ぎ落とされた軽妙なタッチとは一線を画した、当時の日活のポスターなどにも見られる力強い和田デザインがすばらしい。ちなみに同文庫のハメット他作品では色違いでこの表紙が楽しめます。しかし暗すぎて画面上では判別しにくいのが残念!実物はかっこいいのです。 1929年作品。


 
sogen21
 最悪のとき
 W.P.マッギヴァーン/カバー:松田正久/1973
 \600  ■sold

ハードボイルド

大都会にすくう悪を暴こうと、汚名を着せられた元警官の青年が見えない敵に単身立ち向かう、ハードボイルド小説。解説の植草甚一が述べるように、ハードボイルドのなかでも異色の作家・マッギヴァーンの魅力あふれる一作です。


 
sogen19
 まっ白な嘘
 F.ブラウン/カバー:日下弘/1972
 \500  ■sold

サスペンス

ショートショート、SF、ミステリ、そのすべての奇才ブラウンが贈る短編集。面白いとはこういうことだ!と少し大げさに言っても構わない粒ぞろいの名作たちです。


 
sogen18
 殺人は血であがなえ
 H.チェイス/カバー:エフエイト・泉 宏/1976
 \500  

ハードボイルド

金持ちの保養地、美女、私立探偵、殺し、マフィア...創元推理の人気者チェイスのハードボイルドもの。血のように赤い表紙が印象的です。


 
sogen14
 忘れられた殺人
 E.S.ガードナー/カバー:エフエイト・泉 宏/1973
 \500  

法廷もの

“ペリー・メイスン”シリーズのガードナーが贈る本格推理。1934年作品。(現在は別カバー)


 
sogen13
 最後の審判
 W.P.マッギヴァーン/カバー:和田誠/1973
 \700  ■sold

本格

ネオ・ハードボイルドの旗手マッギヴァーンの軽快なミステリー。和田誠の懐かしいタッチがカバーに。1949年作品。


 
sogen12
 危険なやつは片づけろ
 ハドリー・チェイス/カバー:S.D.G. 太田英男/1985
 \500  ■sold

ハードボイルド

過激なタイトルも楽しい、正統派ハードボイルドの名手チェイス。1954年作品。


 
sogen11
 暗黒星雲のかなたに
 アイザック・アシモフ/カバー:司 修/1965
 \500  ■sold



宇宙へ未来へ夢と希望を!アシモフの贈る名作です。1951年作品。(現在は別カバー)


   
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 22世紀の酔っぱらい
 フレデリック・ポール/カバー:真鍋博/1971
 \900  ■sold



10才でSFに取りつかれた作者のユーモア小説。真鍋博のイラストがこの手の作品には欠かせません。1960年作品。


 
sogen07
 地球人よ、警戒せよ!
 ポール・アンダースン/カバー:真鍋博/1971
 \900  



名作『タウ・ゼロ』で知られるアンダースンの軽快なSF短編集。1961年作品。


 
sogen05
 自動洗脳装置
 E・F・ラッセル/カバー:真鍋博/1970
 \900  



自分の過去の犯罪をたどる内に、不思議な現象に巻き込まれる男のはなし。翻訳のタイトルも秀逸なミステリ仕立てのSF。1964年作品。


 
sogen01
 皇帝のかぎ煙草入れ
 ディクスン・カー/カバー:松田正久/1970
 \600  ■sold

本格推理

目撃した犯罪の犯人にされた女性の窮地。密室王カーの贈る絶体絶命ミステリー。1942年作品。


 
本文庫オリジナルだった、今はなきジャンルマークも掲載しました。ご参考までに。
本格推理サスペンスSF ハードボイルド怪奇と冒険 その他のミステリー
 


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